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マルチタイムフレーム分析(MTF分析)では、メインとなる時間足よりも上位足、下位足など異なる時間軸のチャートを見て、相場環境を総合的に判断した上で、エントリーポイントを探っていきます。1つの時間軸だけで分析していると「短期足で強い下落トレンドが発生していたので順張りしたが、上位足ではレンジであり、ダマシで負けてしまった」といったことが多々発生するため、複数の時間軸で分析することは、スキャルピング、デイトレード、スイングトレードなどトレードスタイルに拘らず必要不可欠です。
今回は、マルチタイムフレームの使い方、バイナリー手法、見るべき時間足など全て公開します。明日から即戦力になる渾身の1記事です。
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斉木勇一(サイキックス)
論理的アプローチを得意とするトレーダー、システムエンジニア。バイナリー歴8年、為替歴13年。震災をきっかけに相場の世界へ足を踏み込む。長い下積みを経て2015年に脱サラ。やっと勝てたと思ったら、今度は業者に約1000万出金拒否される。 著書「ロジカルトレーディング」「Profit Quadrant」(全文英語)。専門誌「FX攻略.com4月号」、単行本「ボリンジャーバンドで稼ぐトレーダーのFX戦略」掲載。自作インジケーターのDL数は100万回超え。サイキックスの略歴はこちら
マルチタイムフレーム分析とは
マルチタイムフレーム分析方法、具体的なトレード方法を1本の動画で解説しています。
動画をみてから記事を読んでいただくことでより理解が深まります。
MTF分析とは
マルチタイムフレーム分析(MTF分析、複数足分析)…複数の異なる時間軸のチャートを分析して、トレンドや相場環境を見極めエントリーポイントを探すこと
マルチタイムフレーム分析を行うことで、同じ値動きを違う時間軸のチャートから分析して、1つの時間足しか分析しなかったら気づかなかったであろうトレンドの過熱感、停滞感、チャートパターンに気づくことができます。
全て同じ拡大率ですが、全く見える景色が違いますよね。
MTF分析は意味がない?
自分がFXやバイナリーで使っている手法にマルチタイムフレームを取り込もうとしても中々ハードルが高いのが現実で、多くのトレーダーが習得する前に諦め「マルチタイムフレーム分析は意味がない」と結論づけてしまいます。
しかし、マルチタイムフレーム分析が難しいからといって、1つの時間軸だけを見てテクニカル分析を行うと木を見て森を見ないトレードとなり、はやとちりで損失を出してしまいやすくなります。マルチタイム分析で上位足をみてあげることで、大きな全体の流れと売買の節目となる抵抗帯(レジサポ)の算出ができ、自然とトレードで負けやすいポイントを避けてトレードすることができるようになるのです。
FXや先物取引の場合
・適切な場面でロスカットできないことによる損切り額の拡大
・RR(リスクリワード)の低下で効率の良いトレードがしづらくなる
・フェイクブレイク(騙し)に引っかかりやすくなる
バイナリーの場合
・適切なエントリーポイントが見つけづらくなる
・判定時間の設定がテキトーなものになってしまう
共通
・大きなの節目がわかりづらくなる
・優位性のあるエントリー方向が見つけづらくなる
ちなみに、MTFを行わずに、1つの時間軸のみで分析することを「シングルタイムフレーム分析」と呼びます。(STF分析)
MTF分析を使ったトレード手法
FXでバイナリーでマルチタイムフレーム分析を行う際には、以下の3つの基本ルールを守ることが重要です。
- 必ず3つの時間足をセットで見る…長期足、中期足、短期足の3つの時間軸を組み合わせて分析する。中期足を端折ってはいけないし、超短期足、超長期足などを加えてはならない
- マルチタイムフレーム分析は相対的なものである…MTF分析は「1時間足だから長期足」というように絶対的なものではない。メインの分析足(中期足)が15分足の手法であれば、1時間足は長期足となるが、4時間足メインのトレード手法の場合には、1時間足は短期足となる
- 時間足ごとに役割があり、混同させてはならない…長期足では大きな方向性をみる、中間足はメインの足としてライン、テクニカル指標を使って分析する、短期足では最終のエントリータイミングの見極めで使うなどそれぞれに役割が決められています。短期足で大きな方向性をみたり、長期足でエントリータイミングを見極めることはできません。
FX初心者がMTF分析を使って簡単に勝率をあげる方法
マルチタイムフレーム分析が難しく感じるのは「同じ時間足をみているはずなのに全く違う値動きに見えること」が原因です。同じ価格をみていても時間足の尺度によって、下がっているようにみえたり上がったりようにみえるので、結局何をどう分析すればよいのかついつい見失ってしまいます。
FX初心者がMTF分析を使って勝率を簡単にあげる方法としては「上位足には逆らわない」「上位足の値動きに対して下位足が逸脱しすぎた場合には大きな流れの転換(トレンド転換)が起こる可能性を考慮してポジションを閉じる or トレードしない」。以上の2つのルールを守ることがあげられます。
MTF分析でおすすめの時間軸
マルチタイムフレーム分析といっても、トレードスタイル、手法によって見るべき時間足は変化します。下記では、トレードスタイル別に上位足、中間足、下位足でどの時間足をみればいいかを一覧にまとめています。
- 短期トレーダー・スキャルパー向け…1分足 : 5分足 : 15分足
- デイトレーダー向け(バイナリーオプション向け)…5分足 : 15分足 : 1時間足
- スウィングトレーダー向け...15分足 : 1時間足 : 4時間足
- 長期トレーダー向け…1時間:4時間:日足
FX・バイナリーオプションにおける上位足、長期足の使い方
バイナリーオプションの長期足は大きな流れ(方向感)と節目を掴むために使用します。
長期足で見るラインで私が最も大切にしていることは、「どこの段階でトレンドが転換するのか?」
そしてラインを引いた時にどの程度、オーバーシュート/アンダーシュートが起きやすい考えられるのか?
メインに使う時間足より1つ大きい時間足(長期足)を使用して、大きな流れを見ないと、優位性があるフローが見えず、抜けるpipsが少なくなり、ダマシに会いやすくなります。
FX・バイナリーオプションの中期足、中間足の使い方
バイナリーオプションの中間足は、通常の分析を行うメインのローソク足として用います。
インジケーターやライントレードでエントリーポイントにラインを引くのも、この中間足が軸になります。
また「短期足のプラスアクションの正当性」を確認します。
中間足という言葉は「長期足」「短期足」と比べて馴染みがない方もいると思います。「中間足という概念」を持ってMTF分析をしているかで最終的な勝率に雲泥の差が出ます。
FX・バイナリーオプションにおける中間足の使い方
FX・バイナリーオプションの下位足、短期足の使い方
バイナリーオプションの短期足の役割は、長期足、中期足のプライスアクションを可視化し、中間足でエントリー条件を満たしそうな時に最終の「エントリーポイントをどこにするか」を決める時に使用します。
「プライスアクション分析=リアルタイムでのローソク足の挙動を追わなければいけない」と思っている方が多いのですが、1時間足のプライスアクションを分析する時に、1分足や5分足の動きを見ることでローソク足が形成される過程を「可視化」することができます。
スキャルピングトレード、バイナリーのTurbo取引であれば、上位足→中間足→下位足と全ての相場環境分析を行なった上で、エントリータイミングを伺うときには動いているチャートに対してアプローチをかける必要がありますが、デイトレード、スウィングトレード、バイナリーの場合もハイロー15分取引であれば、確定足ベースの分析だけで問題ありません。
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MTF分析で気をつけるポイント
全体のローソク足の流れを掴む
以上は「MTFの考え方」をわかりやすく解説をしている動画です。
英語ですが、意味はわからなくても大丈夫です。絵だけ飛ばし見してください。英語がわかる方も高値安値の考え方については全無視で絵だけ見ましょう。
MTF分析を行う際に最も重要なことは「それぞれの役割を明確化し、一貫性を持つこと」です。
何のために短期足を分析するのかを予め固定化する必要があり、決めた以上のことをやってしまうとそれはノイズになってしまいます。
大きなチャートの中で今分析している足の位置と役割を想像しながらトレードを行いましょう。
短期足のプライスアクションを意識しすぎない
MTFを始めたての方で一番やりがちなのが、「短期足を意識すぎるあまり、本来の手法とは異なる、ぶれぶれのトレードしてしまうこと」
長期足の流れを無視して、短期プライスアクションだけを鵜呑みすると、早めに損切りしすぎて結果として損切り貧乏になってしまったり、フェイクブレイク(騙しのブレイク)に引っかかりやすくなります
短期足のプライスアクションを掴むことはもちろん重要ですが、中間足、長期足の状態によっては、ただのノイズにしかならないことが多々あります。
マルチタイムフレーム分析でおすすめのインジケーター
たくさんMTF分析を行う際に有益なインジケーターをたくさんリリースしております。全て無料なので好きなだけダウンロードしてください
裁量トレードに使える上位足表示インジケーター
ローソク足を上位足の状態を表示することで、強制的に上位足、マルチタイムフレーム分析を実現する裁量トレード補助インジケーター。
MTF対応移動平均線
相場の大きな流れやトレンド感を掴むために使われる移動平均線。MTFで上位足の移動平均線を表示することで、大きなトレンドに対しての向き、現在のトレンドが大きなトレンドの中でどの立ち位置なのかを把握することができます。
MTF対応RSI(アールエスアイ)
MTF対応Pivot(ピボット)
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まとめ:マルチタイムフレーム分析は目的を明確化せよ
・MTF分析で最も重要なことは、
それぞれの足の「役割の明確化」と「一貫性を持たせること」
・MTF分析を行うと「チャートの動きに対して理由づけ」をしやすくなる
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