
【図解】値幅観測論(水準論)のトレード手法をわかりやすく|E計算とN計算とは
ローソク足同様、プライスアクション型の分析として日本発祥のテクニカル分析で長い歴史を持つ値幅観測論。チャートの波の形に着目して、E計算、N計算、Ⅴ計算、NT計算などトレンドがどこまで伸びるかを当てたり、反転ポイントを予測するために使用されます。
値幅観測論とは
値幅観測論とは、元々は一目均衡表の「三大理論」と呼ばれる考え方の一つです。値幅観測論自体はインジケーターを一切使わずチャートの波(ローソク足の集合体、サイクル、ウィング)をみて「これだけ上がった後に下がったにだから、次はここまで上がる可能性が高いであろう」という将来の到達価格を予測するテクニカル分析方法です。
一目均衡表とは

一目均衡表は東京新聞の株式・商品市場担当記者であった細田悟一氏(一目山人)によって1975年に初めて著書「一目均衡表」の中で発表され、その後、6年間にわたって本人が一目均衡表の極意を書いた解説が本の多数出版されています。
一目均衡表を発表するまでに約7年間かかり、約2000人が開発に関わったという伝説があります。
元々一目均衡表や関連理論は、株価分析で使われていましたが、現在はバイナリーオプションやFXなど為替相場を対象に使用されることの方が多いです。
基準線とは...過去26日間の高値と安値の平均値
転換線とは...過去9日間の高値と安値の平均値
遅行線とは...当日終値を26日前に表示
先行スパン(1)...基準線と転換線の中間値を26日分先(未来)に表示させたもの
(※期間は全て発明者の数値(デフォルト)のもので説明しています)
値幅観測論の種類
値幅観測論の種類はN計算、E計算、NT計算、V計算の4つとなります。
| 種類 | 計算方法 | 簡単にいうと |
|---|---|---|
| N計算 | 1波目が起こった後、調整を挟んで1波の値幅と同じ分上昇する | 1波目=3波目 |
| E計算 | 1波目が起こった後、調整を挟んで1波の値幅の2倍上昇する | 1波目=3波目×2 |
| NT計算 | 1波が起こった後、調整を挟んで、1波目から調整を引いた分の値幅分上昇する | 1波目-2波目=3波目 |
| V計算 | 1波目が起こった後、調整を挟んで、調整で下がった値幅分の2倍上昇する | 2波目×2=3波目 |
N計算とは【1波目=3波目】

N計算値とは...「推進波と同じ分の値幅が調整波終了後に次の推進派で伸びる」という考えをもとに1波目と3波目が同じ値幅となる値幅の取り方
値幅観測論の計算方法の中でもっとも人気が高いのがN計算です。なぜかというと、エリオット波動でいう「1波と3波は同じ値幅になりやすい」という考え方と一致しているため、エリオット波動と組み合わせて使うトレーダーが多いからです。実際、チャートを見ていると1波と3波が同程度の値幅になるケースは体感でかなり多いです。
E計算とは【1波目=3波目×2】

E計算値とは...「推進波と2倍の値幅が調整波終了後に次の推進派で伸びる」という考えをもとに3波目が1波目の2倍の値幅となる値幅の取り方
NT計算とは【1波目-2波目=3波目】

NT計算値とは...「推進波から調整波を差し引いた分の値幅が終了後に次の推進派で伸びる」という考えをもとに「1波目から2波目を差し引いた値幅」が3波目と同じ値幅となる値幅の取り方。
NT計算は、大きなトレンドの波が発生していて、かつ押し目(調整)が浅いときに使われやすい傾向があります。調整が浅いということは、それだけ買いの勢いが強いということ。そういう場面では3波が1波をそのまま超えていくのではなく、「1波の値幅から調整分を差し引いた分だけ伸びる」というNT計算の方が実態に近くなることが多いです。
V計算とは【2波目×2=3波目】

V計算値とは...「調整波の2倍の値幅が調整波終了後に次の推進派で伸びる」という考えをもとに「1波目から2波目を差し引いた値幅」が「2波目の2倍の値幅」が3波目と同じ値幅の取り方。
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値幅観測論の使い方
値幅観測論の厄介なところは、「どの計算をどのタイミングで使えば良いか」が明記されていないことです。N計算、E計算、V計算、NT計算の4つがあって、それぞれ違うターゲット価格を出してくるわけですが、「この相場ではN計算を使え」というルールがないんですね。ここが値幅観測論の最大の弱点です。
値幅観測論を使ったバイナリー手法
値幅観測論は、いくつかのパターンでバックテストを取りましたが、正直どれも勝率としてはイマイチでした。「N計算でターゲット到達したから逆張り」みたいな使い方では、安定して勝てる根拠にはなりません。
ただ「値幅を見ること自体」は非常に重要です。私自身、サイクルごとの値幅を見てトレンドの強弱を判断するのにインジケーターを使っています。例えば「前の上昇波が50pipsだったのに今回は20pipsしか伸びていない」となれば、トレンドの勢いが弱まっていることがわかる。こういう使い方が値幅の本質です。手動で毎回値幅を測るのは現実的ではないので、インジケーター化は必須だと思っています。
値幅観測論を使ったFX手法

ただ正直なことを言うと、上位足であればあるほど値幅観測論でターゲットを出すより、普通に水平線やレジサポを見て利確した方が理にかなっています。値幅観測論が活きるとしたら「スキャルピングでの利確判断」くらいで、それもあくまで補助的な役割です。
「どうしても自分でラインが引けなくて利確に困っている...」という方は、値幅観測論よりもFE(フィボナッチエクステンション)を使った方が良いです。フィボナッチの方が世界中のトレーダーに使われている分、実際のチャートで意識されやすく、ターゲットとしての信頼性が高いです。
値幅観測論がよくわからないという方へ

値幅観測論を厳密に使おうとすると、毎回フィボナッチリトレースメント等の描画ツールで値幅ラインを引く必要があるので、最初はハードルが高いと思います。正直、慣れるまでは面倒くさいです。
ただ、最初から完璧に使いこなす必要はないです。大事なのは「チャートの波には値幅の対称性がある」という概念を知ること。チャートパターンで「ダブルトップの反転後は天底の2倍分伸びやすい」「三角持ち合いがブレイクしたら持ち合いの値幅分動きやすい」というのと全く同じ話です。
この感覚が身についてくると、チャートを見たときに「この波はもう少し伸びそうだな」「ここまで来たら一旦止まりそうだな」という判断が自然にできるようになります。それだけでも利確の精度は確実に上がります。
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値幅観測論のおすすめサイトとインジケーター
値幅計算機

「値幅計算機」は価格を入れるとN計算、NT計算、V計算、E計算の計算を自動で行なってくれる便利なサイトになります。値幅観測論を使っている方は具体的にどこがターゲットになるのかわかりやすいかと思います。
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値幅観測論まとめ






