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FX、バイナリーでインジケーターを使わないライントレードを勉強しよう。という方が最近増加しています。一方で「ラインを引いたけど自信が持てない」「引いたラインがブレイクしてしまう」という方も多いのではないでしょうか。水平ラインがブレイクアウトしてしまう理由と王道ライントレード手法「高安ライン」について解説します。
ライントレードを行っていく上で避けては通らなれない「ブレイクアウト」について会話形式で解説していきます。
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斉木勇一(サイキックス)
論理的アプローチを得意とするトレーダー、システムエンジニア。バイナリー歴8年、為替歴13年。震災をきっかけに相場の世界へ足を踏み込む。長い下積みを経て2015年に脱サラ。やっと勝てたと思ったら、今度は業者に約1000万出金拒否される。 著書「ロジカルトレーディング」「Profit Quadrant」(全文英語)。専門誌「FX攻略.com4月号」、単行本「ボリンジャーバンドで稼ぐトレーダーのFX戦略」掲載。自作インジケーターのDL数は100万回超え。サイキックスの略歴はこちら
先生、難しいことはわかりませんが、
「絶対にブレイクしない水平線の引き方」を教えてください
そんなものは存在しません。水平線は必ずブレイクします。
直近で絶対にブレイクしないと多くのアナリストがいっていたラインが割れた例があるので、紹介しましょう。
絶対にブレイクしないはずのラインがブレイクした瞬間
ライントレードで鉄板で、絶対にブレイクしないといわれていた固いラインがブレイクした時の例として、2019年初頭に、ドル円が一時104円代をつけたフラッシュクラッシュの話をしましょう。
2018年後半から2019年の年始にかけて、ドル円は110円前半でじわじわ上昇トレンドを形成していました。
2019年は過去最低レベルでの為替でのボラティリティ(変動率)となっていたこともあり、マーケットは完全に油断しきっていました。そして下落トレンド起こった時に多くのトレーダー、マーケット関係者、アナリストが口を揃えては言いました。「110円を割ることはまずないだろう」と。
110円が割れた後は、こう言いました。
「すぐに相場は回復して反発するだろう。ましてや105円にいくことなんてありえない」と。
そして、彼らは価格が下がるたびに「スワップ目的のロング積み増し」「値頃感での逆張りトレード」を重ねていきました。
結果として歴史的な急落が発生し、最安値104.832をつけ、ロスカット祭りが起き、みんな退場していったのでした。
めでたしめでたし。
意識されるライン=反発されるラインではない
水平ラインが必ずブレイクされるなら、意識されるラインってなんなんですか?
良い質問ですね。では水平線はそもそもなんのために引くと思いますか?
質問返し笑、ええ、なんだろう。
ラインというのはチャートの縦軸である「価格」に自分が線を引いたものでしかなんです。
つまり、ライン自体には何も意味がない。
さっきのお伝えした話では、
「104円付近が抵抗帯だと思い込んでいた」ということに過ぎず、この場合はただの主観的な思い込みラインを引いただけです。
なるほど、需要なのは「価格」なんですね。
その通り。原則として「意識されるライン」は必ず反発するわけではなく、ラインにはそれぞれの意味が存在します。
私の中で「意識されるライン」というのは
「そこが起点となって相場が動いている価格」を指しています。
そして価格が変動する本質的な理由は1つしかない。
チャートは「新規買/新規売/決済買/決済売」
この4つの要因でしか動かない。
ここを理解した上で、「自分のラインや手法が主にどの層にアプローチをかけているものなのか?」を明確化してあげる必要がある。
なるほど、一見当たり前のことですが意識していなかったです。
前日高安ラインの逆張りトレード手法は勝てるのか?
それでは、チャートの中でどこが意識される価格だと思いますか?
んー…前回高値、安値とかですかね?
半分正解で半分不正解です。ここについては下で解説します
単純な高値安値の逆張りは基本的に勝てません。
なぜなら、高値安値というのは意識はされるかもしれないが
「ラインをブレイクしたい層」も見ているから。
前回高値の近くには、どんな売買が起きるかを考えてみましょう。
- 利確目標としている層(売)
- 高値付近で逆張りしたい層(売)
- ショートの損切り(買)
- 下から買い上げてラインをブレイクしたい層(買)
これらが主に考えられる原因でしょう。
また当然、高値というのは1分足での高値なのか、5分足、それよりも上位足なのかでまた意識されるのか変わってくる。
前回高値との距離が近過ぎれば、前々回高値の方が意識されやすくなったりする
前回高値というのは、一見わかりやすいラインが引ける箇所に見えて、非常に曖昧なポイントであるということ
また高値安値が有効な部分はもちろんありますが、
それらは高値安値が形成される時の前提状況によっても変化します。
意識される高値安値ラインの見分け方
- 前にレンジが形成されているのか
- 強いファンダメンタルズが発生しているのか
- 現在、限界運動量に対してのどれくらい動いているのか
要は高値安値というのは
- そもそも意識されているのか
- 意識されていたとしても「新規買/新規売/決済買/決済売」のそれぞれ、どこにどんな層が意識しているのか
という2つがわかりづらいポイントなんです。
だから「単純な高値安値の逆張りの精度は低い」
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ラインを引く場所の見つけ方
これまで高値安値とかZigZagとか使ってライン引いてたんですが意味なかったんですね…
ますますどこにラインを引けば良いのかわからなくなってきました…
その答えは非常にシンプル「新規買/新規売/決済買/決済売」のどこか、もしくは複数が明確にそこを基準にして取引しているだろうというポイントを探せば良いんです。
なるほど,,,例えばここに来たら「買いのロスカットがたくさん発生するだろうな」とかですか?
大体そんな感じです。が、実際に取引する場合には
「どの辺から持っていた買いが、この価格付近でこの動きをしたらロスカットするだろうな」といったような形で、もっと定義する必要があります。
「新規買/新規売/決済買/決済売」の仕組みを考えるだけでも、
ただの高値安値で逆張りをかけちゃうよりは100倍理にかなっているトレードができると思います。
確かに… ラインって奥深いんですね。
その通り。最初には私が「ブレイクしないラインはない」と言いましたが、ラインは全て万能なわけではありません。
ライントレードを始める時には、
「ラインには何ができて/何ができないのか」
「主観的なライン/客観的な事実に基づくライン」
の区別をすることが必要です。
- 水平ラインは魔法ではない
- ブレイクしない水平線はない
- 一口に水平線といっても、いろいろな効き方がある
- 自分のラインが何に基づいて引いたラインなのかを考える
- 自分の引いたラインは何ができて/何ができないのかをあらかじめ区別する必要がある
「新規買/新規売/決済買/決済売」の売買性質でチャートを動いている
これだけでも覚えて帰ってください。もっと詳しく実践のラインの引き方について知りたい方は「水平線の教科書」もどうぞ。
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