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6つの法則から成り立つダウ理論。トレンド転換サインや、トレンドフォローの利確ポイントの選定などに使われています。「ダウ理論を使わなければ勝てない」「ダウ理論を理解して驚くべきほどのに相場環境認識ができるようになった」と言わしめるほど、多くのFX、バイナリートレーダーに愛されています。
ダウ理論の仕組み、本質的な部分からFXやバイナリーでの実践的なトレードへの落とし込み方をイラスト付きでわかりやすく解説します。
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斉木勇一(サイキックス)
論理的アプローチを得意とするトレーダー、システムエンジニア。バイナリー歴8年、為替歴13年。震災をきっかけに相場の世界へ足を踏み込む。長い下積みを経て2015年に脱サラ。やっと勝てたと思ったら、今度は業者に約1000万出金拒否される。 著書「ロジカルトレーディング」「Profit Quadrant」(全文英語)。専門誌「FX攻略.com4月号」、単行本「ボリンジャーバンドで稼ぐトレーダーのFX戦略」掲載。自作インジケーターのDL数は100万回超え。サイキックスの略歴はこちら
ダウ理論完全攻略ガイド動画
わかりやすいダウ理論の使い方講座を動画にて解説しています。ダウ理論は難しい・勝てないと思われがちなのは、ダウ理論のカバーしている範囲が大きいからであり、体系的に一度学ぶだけでFXを知らない人でも30分で分かるようになります。
ダウ理論とは
ダウ理論とは、チャールズダウが1889年に考案した「トレンドとはなにか」について6つの法則からまとめられた理論になります。「全てのテクニカル分析の基礎」とも言われていて、100年以上の長い歴史を持ちます。
- 格(平均株価)は全ての事象を織り込む
- トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
- 主要なトレンドは3つの段階から形成される
- 価格は相互に確認される必要がある
- トレンドは出来高でも確認される必要がある
- トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
1. 価格(平均株価)は全ての事象を織り込む
ダウ理論の”価格(平均株価)はすべての事象を織り込む”とは、言い換えるとテクニカル分析のみで将来を予測できる、ということです。為替は、景気動向、金利・物価、国際収支などのファンダメンタルズの影響を少なからず受けています。
まず1つ目の「平均株価はすべての事象を織り込む」というのはテクニカル分析の有効性についての法則です。
「平均株価はすべての事象を織り込む」という考え方は、株価はその時のすべての情報を反映しているという意味です。
たとえば、企業の業績、政治の動き、経済の状況、さらには自然災害や戦争など、世の中で起こるさまざまな出来事がすべて株価に影響を与えます。
そして現在起きていることだけではなくて、過去の流れ、将来起こるであろうと期待、懸念されていることでさえ株価に影響を与えるのです。そして、その影響はシームレスに市場に反映され、株価に現れるという考え方です。
言い換えると、株価はすべての情報やニュースを含んでいるので、株価を見れば今何が起こっているのかが分かる、という考え方ですね。
要するにダウ理論の第1法則がここで伝えたいことというのは
「市場はファンダメンタル含むすべてを織り込んでいる」だから「価格を分析するテクニカル分析は有効である」ということです。
第一法則は「テクニカル分析って思ったより便利だよ」って伝えてくれているだけです。すごいシンプルですよね。
政府が発表する経済統計や企業の業績・更には自然災害の様な予測不可能な事象に至るまで、需給に関するあらゆる事象は全て市場価格に織り込まれる。市場価格はあらゆるファンダメンタル(材料)の反映であるという考えであり、その意味で効率的市場仮説の主張に基づいた考えとも言える。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論
為替が変動する理由は、これらの情報が直接的に価格を上げてたり下げたりするわけではなく「その情報をもとに売買をする投資家がいるから」であり、投資家心理は全てチャートに反映されているだろうというのがダウ理論の考え方です。
大きな急落急騰を起こす要因となるフラッシュクラッシュや〇〇ショックと呼ばれる現象は、特に前兆なく突発的に起こります。これらの値動きもいずれ価格に織り込まれ、チャートは正常な形に戻ってきます。経済指標、大きなニュースなどは時間経過によって全てチャートに織り込まれていきます。
2. 主要トレンドは3種類からなる
ダウ理論では、価格変動の分析において市場動向(トレンド)を重視する。そのトレンドを以下の3つに分類している。これらのトレンドは互いに独立しているのではなく、二次トレンドは主要トレンドの調整局面であり、小トレンドは二次トレンドの調整局面として捉えられる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論
ダウ理論ではトレンドを主要トレンド(長期)、二次トレンド(中期)、小トレンド(短期)の3つに分類し、この大、中、小3つのトレンドをみることで、より精度を高くトレンドの波に乗ることができると考えられています。
主要トレンド(長期) | 1年〜数年 |
---|---|
二次トレンド(中期) | 3週間〜数ヶ月 |
小トレンド(短期) | 3週間未満 |
トレードに取り込むにあたって気をつけなければいけない点としては、利幅を伸ばすことができるダウ理論が開発された当時と比べて、現在のチャートはトレンドができてから終わるまでのスピードが極めて早くなっている点です。数年単位、数ヶ月単位よりも小さい単位でトレンドを3つに分けて考えてあげなくてはならない。これをテクニカル分析に取り入れたのが、複数の時間軸でチャートを分析するMTF分析(マルチタイムフレーム)となります。
3. 主要なトレンドは3つの段階から形成される
ダウ理論ではトレンドには以下の3つの段階があると考えています。
第1段階 | 先行期 |
---|---|
第2段階 | 追随期 |
第3段階 | 利食い期 |
市場価格が下落し全ての悪材料は織り込み済みと判断した少数の投資家が、いわゆる”底値買い”をする時期。価格は、下落しているか底値圏で上下している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論
レンジ、ペナント、ジリ上げのような状態
追随期 は、先行期 でのジリ上げ、もしくは底値固めの停滞に反応した投資家が買いを入れ、市場全体がその動きに追随し価格が大きく上昇します。
- 徐々にトレンドに角度がついてくる
- ある程度明確なトレンドが発生している
価格が充分に上昇したところを見て、先行期に買いを入れた投資家が売りに出て利益を確定する時期。価格は既にその前から上昇局面にあるものの、その上昇する値幅は小さくなっている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論
誰が見ても明白なトレンドが発生している
第1段階:底値固め
第2段階:初期のトレンド形成
第3段階:トレンドが明確に形成
第4段階: 天井圏/底値圏
底値固めが終わってトレンドが明確に発生し始める追随期の「前半」と「後半」ではエントリーの手段も市場のポジションの状態も明確に異なります。(前半は積極的に順張りを狙っていくべきだが、後半は条件による)
4. 価格は相互に確認される必要がある
複数の平均的指標が存在する場合、その両者に同じシグナルが見られないなら明らかにトレンドとして捉えることは出来ないと考える。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論
あんまり重要ではないので割愛します。
40%の同意です。が、FXのスキャルピング、バイナリーの場合には他通貨を意識しすぎない方が良いと考えています。意味のないノイズに惑わされて、エントリーが遅くなっちゃうだけでなんで。
5. トレンドは出来高でも確認される必要がある
複数の平均的指標が存在する場合、その両者に同じシグナルが見られないなら明らかにトレンドとして捉えることは出来ないと考える。もっともシグナルが同時期に出現する必要はないものの、直近においてシグナルが発生していればトレンドとして捉えるべきであり、且つ可能な限り同時期に近ければ確定的としている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論
”トレンドは出来高でも確認される必要がある”という理論をFXおよびバイナリーオプション取引に、そのまま取り込むことは極めて難しいと言えるでしょう。理由としては、為替市場では出来高を正確に追うことができないからです。ダウ理論は、元々株取引のための理論ですが、株取引は原則として全ての売買が1つの市場(プライム銘柄であれば東京証券取引所、米株であればニューヨーク証券取引所など)を介して取引されることが前提となっています。しかし、為替においては世界中に点在する銀行や証券会社がそれぞれ取引を行なっているため、リアルタイムでデータを集計することはできないのです。
しかし、ダウ理論の考え方を元に出来高を自分なりに推測してテクニカル分析に応用することで、より高い精度でトレードを行うことができます。
- 出来高が伴わない短期間の上昇はダマしで終わる可能性が高く、ラインでもただのフェイクブレイクの可能性が高い
- 出来高を伴ったトレンドが発生が発生した際に、トレンドの進行に合わせ、出来高が減少している場合にはトレンドの終了を示していることが多い
MT4で出来高を表すインジケーターであるボリューム(volume)で表示される出来高は「擬似出来高」であり、本来の出来高を表す指標ではないため、株式取引の出来高と混同しないように注意。
6. トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
ダウ理論ではトレンドは明確な転換シグナル(上昇トレンド時の前回安値割れ、下降トレンド時の前回高値超え)が出るまではトレンドは継続をしていると考えています。
ダウ理論だけで勝てるのか?
「ダウ理論だけで勝てる」という意見もあれば「ダウ理論はダマシが多過ぎて勝てない」という意見もありますが、これはこの問い自体がナンセンスと言わざるおえません。
なぜならばなぜなら、ダウ理論はトレンドの方向性やその形成過程を示すものの、具体的なエントリーやエグジットのタイミングを直接教えてくれるわけではないからです。
例えば「トレンドは3段階で進行する」という考え方は重要ですが、どの時点でポジションを持つべきかは、他の分析手法を組み合わせる必要があります。実際の相場では、押し目や戻りを正確に見極めることが勝敗を分けます。
つまり、ダウ理論というのは、ダウ理論の考え方をベースに自分なりにトレード手法に落とし込むためのアレンジをする必要があり、アレンジありきの理論なんですね。
ダウ理論を最大限に活用するには、水平線や移動平均線、さらにはローソク足、サイクルトレードなどの補助的な手法と併用することで、相場の精度を高めることができます。ダウ理論を核としつつ、現代のトレード環境に適したアプローチを取り入れることが勝利への鍵です。
ダウ理論とエリオット波動の違い
ダウ理論とエリオット波動は、どちらも「トレンドは複数の段階から成り立つ」「高値と安値の更新が重要」という共通の考え方を持っています。
ただ一見似ているようにみえても、実際に注目しているポイントやトレードする時の運用方法においては全く異なります。
ダウ理論の第6法則では「トレンドが3段階で進行する」ととされ「トレンドの勢いが本格化してから先細っていくまで」に注目しています。
一方で、エリオット波動は5つの推進波と3つの調整波の合計8個の波動パターンに分解し、停滞したり、押し目を形成している場面も含めて「相場にどんな心理状態が働いているのか」を分析しています。
ダウ理論は安定して押し目をつけるトレンドに対しての着目をするとに対して、エリオット波動の方が「急騰急落」「安定するトレンド」「調整」「停滞」含めて分析対象としているため、チャートの分析範囲が広いんですね。
実際のトレードでダウ理論とエリオット波動をどちらを使えばいいのか?と思うことがあるかもしれませんが、押し目をつけているトレンド(チャネルトレンド)にはエリオット波動とダウ理論の両方エッセンスを取り込んで、それ以外のブレイクアウト型のトレンドやレンジ、調整場面にはエリオット波動の考え方を取り入れるという形で場面を使い分けることで両方使うことは可能です。
ダウ理論完全攻略ガイド動画
ダウ理論の核心とも言えるところが現代において明確に勘違いを行なっています。
何故ならばトレンドの終了サインである「明確な転換シグナル」は高値や安値を割ったところではないからです。
前回高値安値は意識されます。ただそこで明確なポジションの偏りが生まれたり、転換地点となるような追加のエントリーが入るような場所ではありません。
この多くの人が前回高値超え/安値割れを「明確な転換サイン」だと捉えているからこそ、「ダウ理論が勝てない」と言われる所以になります。
ダウ理論トレードの注意点
ダウ理論は1889年に株価分析のために提唱された理論であり、現代のようにスマホ一台で世界中の市場にアクセスできるトレード環境を想定していません。このため、古典的な理論をそのまま適用するだけでは、現代の相場環境では通用しない部分もあります。
例えば、「トレンドは出来高によって確認されるべき」というダウ理論の原則があります。確かに「上昇トレンドでは買いが優勢」ということは直感的にも理解できますが、それだけを根拠にトレードを行うのは危険です。なぜなら、上昇トレンドの中にも押し目や調整があり、適切なエントリーポイントを見極めることが求められるからです。
では、具体的にどのように判断すればよいのでしょうか?実は、ダウ理論そのものには詳細な判断基準が明確に記載されているわけではありません。これは、ダウ理論があくまで相場の「骨組み」を提供する理論であり、具体的な戦術を補うためには他の分析手法や現代のツールを組み合わせる必要があるからです。
さらに、注意すべき点として、インターネット上ではダウ理論が誤解され、極端に単純化された形で伝えられていることがあります。「ダウ理論の本質」と称しながら、実際には3流トレーダーによる解釈が混じっていることも少なくありません。このような情報に惑わされず、原典に近い信頼できる情報源や自分の経験を通じて理論の本質を理解することが重要です。
ダウ理論は、その普遍的な性質ゆえに現代のトレードにも応用できる側面がありますが、時代に応じたアップデートと慎重な活用が求められます。理論を鵜呑みにせず、現代の市場に適した使い方を模索していきましょう。
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ダウ理論とは何か?を見る時にただ前回高値/前回安値だけをダウ理論だと思ってトレードしていませんでしたか?
- 流行っている手法だから勝てる
- 王道の手法だから勝てる
なんてことは投資の世界ではありません。
ダウ理論の本質的な部分を理解し、実際に手法に組み込むにはどう落とし込めば良いのかを自分の頭で考えられるようになりましょう。
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