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もし世界中のFXトレーダーが今どんなポジションを持っていて、これからどんな取引をするのか?がわかったら、どれだけトレードが楽になるのでしょうか?オープンオーダー・オープンポジションを使うと、他の投資家の保有ポジションと指値逆指値をカンニングすることができます。
ライバルトレーダーのポジションを丸見えにしてしまう「オープンオーダー」「オープンポジション」が無料でみれるサイトを5個紹介します。
斉木勇一(サイキックス)
論理的アプローチを得意とするトレーダー、システムエンジニア。バイナリー歴8年、為替歴13年。震災をきっかけに相場の世界へ足を踏み込む。長い下積みを経て2015年に脱サラ。やっと勝てたと思ったら、今度は業者に約1000万出金拒否される。 著書「ロジカルトレーディング」「Profit Quadrant」(全文英語)。専門誌「FX攻略.com4月号」、単行本「ボリンジャーバンドで稼ぐトレーダーのFX戦略」掲載。自作インジケーターのDL数は100万回超え。サイキックスの略歴はこちら
オープンオーダーとは
オープンオーダーとオープンポジション
FXやバイナリーオプションでは、相場の節目を見極めることでより大きな利幅を抜いたり、勝率を上げることができます。
オープンオーダーでは、世界中の個人投資家がどの価格でエントリー、決済する予定か、節目になりやすいポイントを事前に把握することができます。オープンポジションでは、ロングとショートの比率がわかるため、潜在的な買い圧、売り圧の強さを事前に知ることができます。
- オープンオーダー(Open Order):未約定でこれから執行される予定の注文(指値、逆指値)がどのくらいロングとショートどちらが多いのかを把握できるツール
- オープンポジション(Open Position):既に約定されている注文ベースでロングとショートどちらが多いのかを把握できるツール、ポジション比率ともいう。
オープンオーダーやオープンポジションは、個人投資家が相場にどのように感じているかを反映してくれます。
ロングショート比率を使ったFXトレード手法
ロングショート比率が偏りから、マーケットの過熱感、買われ過ぎ売られ過ぎを判断することができます。例えば、USD/JPYのロング率が70%、ショート率が30%の場合、ロングポジションを持っている人が増え過ぎているので、これから新規でロングを持つのは避けた方が良いでしょう。また既にロングポジションを持っている場合は、利確の準備に入るべきだと言えます。
- ロング比率30%、ショート比率70%:下降トレンドの終焉警戒、新規ショート避、利確を急ぐ
- ロング比率40%、ショート比率60%:下降トレンドの形成を示唆
- ロング比率50%、ショート比率50%:中立、方向感を確認すべし
- ロング比率60%、ショート比率40%:上昇トレンドの形成を示唆
- ロング比率70%、ショート比率30%:上昇トレンドの終焉警戒、新規ロング避、利確を急ぐ
「今ロングしている人が多いから買いだ」と安直に判断するのではなく、「ロング比率が高いということは今後利確の売り、すなわち潜在的な売り圧力が強い」と考えましょう。
オープンオーダーとオープンポジションの比較
オープンオーダー及びオープンポジションを公開している合計5社の中を比較して表にまとめました。目立った機能の部分は太字に設定しています。
比較対象 | 見れる情報 | 更新頻度 | 情報源 |
---|---|---|---|
OANDA | 未約定のオーダー、保有中のポジションのロングショートの割合 | 30分ごと(特定条件を満たすと5分ごと) | OANDA証券利用者 |
IG証券 | 保有中ロングショートの割合 | 1日ごと | IG証券利用者 |
myFXbooks | 保有中ロングショートの割合 | 15秒ごと | myFXbooks利用者(証券会社は問わない) |
FX Blue | 口座数ベースでの保有中ロングとショートの割合 | 未記載 | FX Blue利用者(証券会社は問わない) |
デュカスコピー | 保有中ロングショートの割合 | 30分ごと | SFFXを利用する個人顧客、ブローカー、投資会社、ヘッジファンド |
オアンダのオープンオーダー・オープンポジション
OANDA(オアンダ)は、アメリカ、カナダ、イギリス、シンガポール、オーストラリア、日本に拠点を持つFXブローカーです。
オープンオーダーを使っているトレーダーの中で知らないトレーダーはいないくらい定番とされているのがOANDAのオープンオーダー。現在保有されているポジションだけではなく、未約定の指値、逆指値がどこにはいっているのかまで公開されていることと、価格帯別にどのくらいの量のポジションが入っているのか一目でわかるのが特徴です。
国内人気No.1のOANDAのオープンオーダーは、完全日本語対応に加え、MT4、MT5でのインジケーター化もされており、日本人トレーダーに優しい設計となっています。
IG証券のオープンポジション
IG証券は、世界15ヶ国に拠点を持つ40年の歴史がある老舗のロンドン発FX、バイナリーオプションブローカーです。
IG証券のオープンポジションの特徴としては、過去のデータ推移を見ることができるため、過去と現在の価格を比較してトレード判断を行うことができる点です。具体的には、日ベース、週ベースのオープンポジションの表示切り替えや、どれくらいロング、ショート、OI(未決済建玉)が増えたのかなどの過去との比較を行うことができます。
またIG証券では、毎日オープンポジション情報のレポートが更新されており、ポジションの偏りが具体的にチャートにどのような影響をもたらしたのかをチャートを照らし合わせて確認することができます。(英文のみ)
IG証券のオープンポジションは為替のみならず、ゴールドやシルバー、石油、S&P500にも対応しています。CFD取引を行うトレーダーにとってはIG証券一択になるかと思います。
myFXbooksのオープンポジション
myFXbooksは、MT4から取引履歴を取得して、自動でトレード記録、分析レポートを出してくれるサービス。myFXbooksは証券会社ではないため、1つの証券会社のみの取引データではなく、様々な証券会社を利用しているmyFXbooksユーザーの保有ポジションをみることができます。
また出来高、具体的なポジションの数まで詳しく公開されており、なんといっても15秒ごとのデータ更新と極めて更新頻度が高いのがmyFXbooksの特徴となっています。
myFXbooksのオープンポジションは、他社と比べて解像度の高い情報をリアルタイムで更新してくれることが強みです。またリアルタイムでの取引通貨ペア取引額ランキングもみることができます。
FX Blueのオープンポジション
FX Blueは、取引履歴分析サービス、専用インジケーターの配布、コピートレードサービスを提供するFX関連ツールのプラットフォームです。FX Blueは証券会社ではないため、様々な証券会社を利用しているFX Blueユーザーがデータ元となっています。FX Blueで使えるチャートソフトとしては、MT4、MT5に加え、C Trader(シートレーダー)にも対応していて、よりプロフェッショナルに近い海外トレーダーも囲っているのが特徴です。
FX Blueのオープンポジションでは、FX Blueに登録されているリアルマネー口座(デモ口座を除く)のうち、リアルタイムでロングしている口座数とショートしている口座数の割合が公開されています。他社のオープンポジションと明確に違うポイントしては、従来のポジション量ベースではなく「口座数ベースでのオープンオーダー」であるということです。
ロットの違いは反映されないので、1万通貨で運用しているFX口座であっても、100万通貨ペアで運用しているFX口座であっても、同じ1つの口座としてカウントされます。
FX Blueの意図としては、FX Blueの利用者の中には、アルゴリズムを使用したシステムトレーダー、機関投資家なども多く、特定少数の投資家の数値によって、パーセンテージが偏らないようにするために口座数ベースでのオープンポジションを採用しているとのことです。
デュカスコピーのオープンポジション
デュカスコピー(DUKASCOPY Bank)はスイス銀行グループであるFXブローカーです。他のFXブローカーと比べて非常に透明性の高い取引環境を提供していることで有名です。
通貨ペアベースだけでなく、通貨ベース(USD、JPY、EURなど)でのロングとショート割合を表示できる点がデュカスコピーのオープンポジションの特徴です。
オープンオーダーについてのよくある質問
おすすめのオープンオーダーは?
どのオープンオーダー・オープンポジションが一番おすすめですか?
トレード初心者にはOANDAが一番使い勝手が良いと思いますが、オアンダのオープンオーダーはあくまでオアンダの顧客データしかしれないという弱点があります。
複数のオープンオーダーを適切な場所で組み合わせることで、オープンオーダーの弱点の解消できるだけでなく、何倍も精度を高く市場心理を分析することができます。
オープンオーダー弱点解消法は以下の通り、
- OANDAのオープンポジションをみて、IG証券で裏付けを取る(データの偏りを防ぐために、他のオープンオーダーでもだいたい同様の数値になっているか確認)
- 重大な指標発表には、15秒更新のmyFXbooksのオープンポジションを使う
オープンオーダーを使ってもトレードで勝てない
オープンオーダー・オープンポジションを使って、面白いくらい機能する、全然機能しない時があります。この違いはなんでしょうか?
為替相場が動いている理由は、証券会社を通して個人が取引する以外にも、政府系ファンドやヘッジファンドなどの機関投資家による取引、実需筋による取引などがあります。オープンポジション・オープンオーダーでみれるのは基本的に個人投資家のポジションのみのため、個人投資家以外がマーケットを動かしている場合は、機能しない場合があります。
オープンオーダーの注意点は?
オープンオーダー・オープンポジションを使う上で気をつけることはありますか?
オープンオーダーは、証券会社の個人投資家の取引が元データとなって表示されていますが、エキゾチック通貨(マイナー通貨)は取引している投資家自体が少ないため、データに偏りがでやすく、オープンオーダーが機能しない傾向があります。人気のない通貨ペアをオープンオーダーを使って分析する時には、必ずいくつかのオープンオーダーを比較するようにしましょう。
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