この記事は約5分で読めます
FXで代表的なチャート表示形式と言えば、ローソク足ですが、ローソク足の代わりに平均足を表示するトレーダーもいます。平均足は、価格の変動をスムーズに表示し、トレンドや反転の傾向を捉えるのに役立つツールです。このコラムでは、平均足の基本的な仕組みや解釈方法、デメリットについて探求していきます。

今回は順張り手法として人気な「平均足」のチャートの設定方法から実践的なトレード手法まで解説していきます
平均足の仕組み

前足の始値と終値の平均と現在の4本値(始値、高値、安値、終値)の平均によって実体が形成されるテクニカル指標。コマ足とも呼ばれる。
平均足とローソク足の違い


平均足とローソク足はヒゲは同じですが、実体部分はローソク足が「始値と終値ベース」なのに対し、平均足は「前足と現在足の平均値」と根本的な足を描画する仕組みが異なります。
平均足チャートとローソク足チャートの比較



上が平均足チャート、下は通常のローソク足チャートです
平均足の初心者向け解説動画

海外ファンドが出しているわかりやすい動画があったので、紹介します。全て英語ですが、飛ばし飛ばしで図だけ見ても参考になるのでぜひ。
①MT4に表示されているローソク足を非表示にする

平均足をMT4に表示させるためには、最初に通常のローソク足を非表示にするところから始めます。
この作業を行わないと、ローソク足の上に平均足が被さっているような状態になってしまいます。
右上ツールバーにある「チャート(C)」→「プロパティ」からローソク足やチャートの色設定をする画面を開きます。

表示された画面の中から赤枠部分の
- 上昇バー
- 下降バー
- 上昇ローソク足
- 下降ローソク足
- ラインバー
上記5つを「None」に変更します。

設定後、このように表示されるのでOKを押しましょう

ローソク足が綺麗さっぱりMT4チャートから無くなっていると思います。
②平均足を白紙のチャートに挿入

ローソク足が無くなったので、準備が整いました。次は平気足をチャートに入れていく作業に移ります。
右上メニューバー「挿入」→「インディケーター」→「カスタム」→「Heiken Ashi」を選択し、平均足をチャートに導入します。
「Heiken Ashi」はほとんどのブローカーでデフォルトで導入されているので、ダウンロードの必要はありません。

インジケーター導入後、平均足が正常に表示されたことを確認して、完成。
平均足のベーシックな使い方としては
- 平均足の切り替わりがトレンドの終わり際の判断
- 陽線/陰線の連続性をみて順張り
といった形で「トレンドの判断」として使われることが多いです。
チャートのノイズの判断がしづらい

私はチャートの中にはこれからの値動きに「大きな影響を与える節目となる値動き」「ノイズとなる値動き」があると考えています。
その中で平均足を使うと節目付近の値動きの判断がしづらくなります。
平均足のみならず、平均系のロジック単体で勝ちづらいのは、ノイズまでも平均として取り込んでしまっているからです。
トレンドが発生する多くの場合には
「トレンドになるべく理由があった上で発生している」
逆に「トレンドかな?」と思っても、すぐに終わってしまって、
順張りしたらダマシに引っかかってしまう場合には
「トレンドになるべく理由」が見つかっていない場合が多いです。

平均足を使うと、トレンドが発生する前の挙動とトレンド転換 or 継続の判断が付きづらくなります。よって
- トレンドが終わったと思ったら「ただの押し目だった」
- トレンドだと思っていたものが「トレンドではなかった」
というダマシにかかる確率が上がる
何故ならば、平均足は「トレンドの段階」を表してくれないから。
大きな利幅を狙いづらい(※バイナリーの場合)

バイナリーで勝ち続けるための最大の課題は「いかにエントリーから判定までの決められた時間の中で大きな利幅を抜くか」
一般的にバイナリーはエントリー額が増えれば増えるほど、バイナリー業者に高いスプレッドを設けられ、不利なところで約定されやすくなるからです。
FXの場合も低いボラティリティは共通課題です。
平均足でトレンドを認識するためには、ある程度「陽線/陰線の連続」を見てからトレンドが発生していることを認識する必要があり、
平気足は、物理的に「誰もがトレンドが明確に判断できるような状況でないとトレンドだと判断できない」
「トレンドの中でも安定してからそろそろ終わるか?」というところでしかトレンドだと認識しづらく、平均足は反応がめちゃめちゃ遅いわけです。(結果としてトレンドが長く続く場合もある)
よって平均足手法は、大きな利幅を抜くことが難しいロジックになります。
平均足をサブウィンドウの表示するインジ

平均足だけ見てトレードされる方というのは少数派だと思います。平均足サブウィンドウ表示インジを使うことでローソク足と同時に平均足を表示しながらトレードを行うことができます。
MTF対応VQ(ボラティリティクオリティ)

VQは平均足をライン化し少し手を加えたインジケーターです。平均足を使ったトレードを行なっている方には要チェック


だいたい平均足を元に作られたロジックはバックテストの結果がどれも悲惨なものばかりです。
今までいろんなインジケーターのフィルターとして検証してみましたが、実戦レベルで使おうと思ったことは一度もないですね。