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FX、バイナリーのテクニカル指標として、移動平均線やMACDのように最初からチャートソフトに搭載されていないインジケーターにも関わらず、圧倒的な人気を持つ「Pivot」(ピボット)。自動でレジスタンスまたはサポートラインを描画してくれるので、値幅を用いたトレード、買われすぎ売られすぎの指標、ライン逆張りトレードなどにも用いられます。
今回は欧州投資家などに広く認知されている「Pivot」をMTF対応させたインジケーター「MTF_PIVOT.ex4」(完全日本語対応)を無料配布します。
- 日足、週足、月足のPivotを表示できる
- MTFでピボットを表示することができる
MTFピボットがFX攻略誌.com 2021年4月号編集部が厳選!お勧め!インジケーター集に掲載されました。
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斉木勇一(サイキックス)
論理的アプローチを得意とするトレーダー、システムエンジニア。バイナリー歴8年、為替歴13年。震災をきっかけに相場の世界へ足を踏み込む。長い下積みを経て2015年に脱サラ。やっと勝てたと思ったら、今度は業者に約1000万出金拒否される。 著書「ロジカルトレーディング」「Profit Quadrant」(全文英語)。専門誌「FX攻略.com4月号」、単行本「ボリンジャーバンドで稼ぐトレーダーのFX戦略」掲載。自作インジケーターのDL数は100万回超え。サイキックスの略歴はこちら
ピボットの仕組みと種類
ピボットとは
Pivotとは..前日の高値、安値、終値から算出される値である「意味のある価格」として見なし、相場の過熱感を見るトレンド系テクニカル指標です。主に欧州トレーダーなどによく好んで使われる指標になります。
ピボットの開発者であるJ.W.ワイルダー氏は従来のトレンド指標を定義し直し「相場の勢い」「意識される将来の反転ポイント」を可視化するためのテクニカル指標多く誕生させました。代表作にはRSI、ADXがありますが、その中でも最高傑作とも言えるのが「ピボット」です。
ピボットをトJ・W・ワイルダー氏が考案したインジケーターです。同氏は、RSIやADXなどの開発者でもあります。
ピボットを使うメリット
ピボットを使う最大のメリットは、なんといっても「誰もが意識されるラインを1発で引ける」ところでしょう。
ピボットには、移動平均線やボリバンなどのその他期間設定を必要とするテクニカル指標とは異なり、パラメーターが存在せず期間の設定をする必要ありません。
世界中の個人投資家から機関投資家(大口投資家)まで使われるピボットでは、誰が使用しても同じ価格にラインが表示されるため、ピボットをみることで、初心者トレーダーであっても、意識され、節目となりやすいラインを把握することができます。
ピボットの種類
FXにおけるピボットは、合計7つのライン、4種類の計算方法から成り立ちます。
- ピボット(P)
- レジスタンス1(R1)
- レジスタンス2(R2)
- レジスタンス3(R3)
- サポート1(S1)
- サポート2(S2)
- サポート3(S3)
ピボットライン、レジスタンスライン、サポートラインの求め方は極めてシンプルで、全て共通して前日高値、前日安値、前日終値の3つを割ったり、引いたりして算出されています。
ピボットの計算方法を理解するため必要なのには、ピボットと矢印の線の4つだけです。まずは、全部の計算式で出てくる中心人物であるピボットから覚えましょう。
ピボットの計算式
ピボット(Pivot)=(H+L+C)÷3
H:前日高値 L:前日安値 C:前日終値
ピボットは「前日終値、前日安値、前日高値を足して、3で割ったもの」になります。
陽線の場合、上髭に対して下髭が長い場合は、ピボットは実体よりも高い位置となり、下髭に対して上髭が長い場合は、ピボットは実体よりも低い位置になります。
ピボットR1とS1の求め方
R1=P+(P-L) S1=P-(H-P)
R1はピボットから「ピボットと前日安値までの距離」を足し、S1はピボットから「ピボットと前日高値までの距離」を引いた値になります。
ここら辺から計算がややこしくなってきますが、要はピボットから前日高値、前日安値までどれくらい離れているのかを見て、相場の買われすぎ売られすぎを判断しています。
実際の相場ではR1やS1を超えないような値動きがしばらく続くようであれば、それは明らかな停滞であり、相場の調整局面であることや方向感のないレンジ相場であることを表します。
レジスタンスとサポートという名前に惑われてしまいますが、実際にR1とS1がレジサポとして機能することはあまりありません。
ピボットR2とS2の求め方
R2=P+(H-L) S2=P-(H-L)
R2はPに前日の値の振り幅分を足した値、S2はPから前日の値の振り幅分をに引いた値になります。
ピボットR3とS3の求め方
R3=R1+(H-L) S3=S1-(H-L)
言い換えると、R3は「ピボットから前日安値までの距離+前日高値から前日安値までの距離」、S3は「ピボットから前日高値までの距離+前日高値から前日安値までの距離」となります。
日足ピボットのR3ラインを上回ったときは潜在的な売り圧力、S3ラインを下回ると潜在的な買い圧力が強くなります。
ピボットをレジサポとして使うトレード手法
ピボットは、インジケーターの中では珍しい「先行指標」であり、「ローソク足が確定する前に将来どこが意識されそうか」を算出できます。
ピボットから派生した手法は無数に存在しますが、その中でも代表的なトレード手法が「ピボットをレジサポとして活用した順張り・逆張り手法」です。これは、ライントレードの考え方に近いものがあり、プロのライントレーダーが手動で引いた水平線(抵抗帯)とピボットは重なる場合も多々あります。
具体的には「R2に到達したら売り、S2に到達したら買い」という逆張り手法や、「Pivotラインより上か下かでトレンドの方向性を見極める」といった相場認識の1つとしても活用されています。
ピボットは大きな節目で意識されることが多いので、月足や週足などの大きな時間軸での位置が重要になる傾向にあります。
- 遅行指標とは…値動きに遅れて追従するテクニカル指標。ローソク足が確定しないと指標も確定しない(例: 移動平均線、ボリバン、RSIやストキャス)
- 先行指標とは…値動きに先行して分析する指標。一度表示されると、ローソク足が確定する前に一定の基準を満たすまでは、どんな値動きをしても変化しない(例: 水平線、フィボナッチ、ピボット)
ピボットは意識される価格を教えてくれるインジケーターになります。が、ライントレードの「意識されるライン」と「反発されやすいライン」は別なので、混同しないように。
マルチタイムフレーム対応ピボットの使い方
今回配布する「MTF_Pivot.ex4」はMTF対応のピボットラインを表示させるインジケーターです。
デイリーピボット、ウィークリーピボット、マンスリーピボットの3つの主要なピボットを1分足から月足まで、どの時間軸でも表示することができます。
初期設定では、一番オーソドックスである「R1〜R3、S1〜S3、Pivot」を表示させています。
MTFピボットのパラメーター
- 日足…デイリーピボットを表示させるか
- 週足…ウィークリーピボットを表示させるか
- 月足…マンスリーピボットを表示させるか
- 期間...ピボットの期間
日足、週足、月足は「true」で表示/「false」で非表示となります。
MTFピボットを表示させたチャート
オジ円(AUD/JPY) 4時間足チャート
オジ円(AUD/JPY) 日足チャート
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クリックするとダウンロードできます。
- インジケーターをダウンロードし、コピーする(ex4かmq4)
- MT4内部フォルダの「Indicator」フォルダを開き、ペーストする(MetaTrader4→MQL4→Indicators)
- MT4を再起動する
- 右上メニューバー「挿入」→「インディケーター」→「カスタム」→「いれたいインジケーター」を選択し、導入完了
ピボットのよくある質問
ピボットはどの時間軸でみるべき?
おすすめのピボットを見るローソク足の期間はありますか?
バイナリー、FXのデイトレードでは日足ピボットを表示させるのがおすすめ。
ピボットというのは、基本的に長期足をベースに計算されたものを短期足で見るというマルチタイムフレーム分析が前提のもので、一番日足が使い勝手が良いよ
FXのスイングトレードや日足を元にトレード戦略を立てるときには、週足、月足ピボットを表示しても良いと思います。
ピボットはレジサポやライントレードに使える?
FXでピボットをレジサポとしてみたり、ライントレードに活用することはできますか?
ライントレードに活用することは間違いなくできる。ただ単純にピボットのレジスタンス、サポートで逆張りというのはおすすめしない。
先述の通り、日足ピボットのR3ラインを上回ったときは潜在的な売り圧力、S3ラインを下回ると潜在的な買い圧力が強くなります。
例えば、その時にR3よりも上の価格帯で潜在的な売り圧力が強いときに揉み合っていてアセンディングトライアングルが形成されている時にどこかで売りを仕掛けられる可能性が高いと判断して「どこかでショートエントリーを狙うことができないか」という「レンジブレイク戦略」を立てることはできます。
ピボットはどのように見ることができる?
ピボットはどこで見ることができますか?
ピボットは、MT4では標準搭載されていないため、自分で個別にダウンロードして導入する必要があります。こちらから無料のピボットをダウンロードすることができるよ。まだインジケーター以外にも、ピボットポイントデータを公開しているサイトから見ることもできる。
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MTFピボットと合わせて使いたいインジケーター
複数チャートに自動でライン同期するインジケーター
意識されるラインを分析する際に絶対に必要なことは1つのラインに対しての値動きをMTFでとらえることです。
ライン同期インジを使えば、複数のチャートの水平線、フィボ、トレンドラインを完全に同期することができます。
一定の値幅水準に自動でラインを引くインジケーター
Pivotは高値と安値、終値の値幅に着目して作られたインジケーターです。ご自身で値幅を使った分析を行う際に自動値幅水準インジを使うことで現在の相場が、どれくらいのボラで動いているのかを感覚的につかむことができます。
ピボットまとめ【ピボットは自分なりの見方を持つべし】
私が一番初めに水平線の勉強に取り掛かった時に「ただ高値と安値に引くのは違う気がする。どこにラインを引けば良いのか」と悩んで、たどり着いたのが「Pivot」でした。
結果として現在Pivotは裁量では使っていませんが、Pivotを軸に取引されている局面は結構あります。
ただ、ピボットは全て意識される訳ではありません。
どこが意識されていて、いないのか。その違いはなんなのか。あなたのトレードを昇華させる大きなヒントになってくれるかもしれません。
サイキックスオリジナルインジケーターなので「ここをこうしてほしい」といった要望や改善点などがあれば言ってくれれば、お気軽にコメントください
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